top of page
検索
  • 執筆者の写真純子 江本

指導方針と練習について


「ピアノの練習」についてTwitterで話題に上がっていたので・・。


「練習しない生徒は来なくて良い。練習は当たり前。辞めてもらって良い。やる気ない生徒は自然淘汰するから良い。上達させたい。」

こうした声。練習圧力の強いこと。


なんだか、練習が嫌なイメージ。

こんな言葉で創造力豊かな音楽ができるのか、私は甚だ疑問。

練習しないけれど好きな子供を潰してしまう可能性も。


「上達させたい」のはもちろん悪くありません。

ですが私自身、上手いかどうかよりも「好きになってほしい」。

何故かというと、よく弾けているのに心に届かないということも見かけるからです。

自分で興味を持って音楽に向き合っている場合と溢れてくる表現力が違う。

『上達度よりも好きな気持ちが勝る』

このように考えています。

続けていれば、自然と上手くなります。


●練習している場合●

実際、ガチガチに練習させた先生(コンクールなどでも優勝など)から「辞めてしまったのよ」ということをたくさん聞いています。

「そうならないように気をつけて」と何度こっそり教えていただいたことでしょうか。

上手いのに越したことはないと思うかもしれませんが、それまでに「やらされている」というのが大きいと、実力と気持ちにズレが生じてしまうのです。

本人が興味を持てているか・・そうではない場合、「もういい」と思ってしまいます。

お花も栄養をやりすぎると枯れます。


ピアノはもともと競争のためではありません。

演奏できることが教養、癒しとして、人生を豊かにしてほしい。

出来たら同じ「きょうそう」でも「共に創る=共創(アンサンブル)」が素敵ではありませんか。


ピアノは哲学なんです。

なぜピアノを自分が弾くのか。

演奏前も心と呼吸を整えます。


「早くしなさい」とか「こなす」というようなことをしていると

根本的などのようにピアノに向き合うかという姿勢さえ、分からなくなってしまうかもしれません。


●よくある30分のお教室●

初心者が始めやすい教室体系。

途中から気がついたのは、「練習しない」と言っている先生のお教室は30分レッスンからが多いということ。

短時間で高品質、安価というのは皆さん求められていることでしょう。

『30分レッスン8,000円から・・』というのはデフォルトなのでしょうか。


30分で効果を上げるということはどういうことか皆様お分かりでしょうか?

全て止まらないで弾ける、直ぐに本題、練習完璧・・それでしたら効果があがりやすいかもしれません。(私からするとスーパーマン、スーパーウーマンの域に感じます。)

30分レッスンと言っても、入れ替えの時間もあります。実質中身で20分できれば御の字ですが、それが出来るのは大人。幼児のペースもあります。


では、何故、それを分かっていながら、30分レッスンが多いか・・。

教室側も生徒数確保、安価なので新規生徒が入会しやすいなど。


問題は、十分な効果とサービスを受けられるか!?ということです。

分からないまま帰る。

親が全て教えなければいけない。

一生懸命やっているのに出来ないなど。

ピアノの先生も結局足りなくなって延長してしまうことも・・練習できていないと教室と生徒間で歪みが出来ていきます。


30分レッスンを否定しているのではありません。そうしたニーズも多いから存在するのです。

ですから、生徒と教室でよくすり合わせをしないと、全然進まない、楽譜が読めない、練習の仕方が分からないなど問題が起こりやすいということなのです。


●練習しないことについて●

①先生は親のせい

②親は子供のせい

→これをしたら本当に子供がピアノ嫌いになります。

せめて楽譜が読めたり、練習の仕方がわからないと無理です。

言葉にするとキツイですが、ほんと、子供の教育現場ですよ。

みんなが人のせいにしてどうするんですか!!笑

バカモーンです!!


そもそも、

・練習は辛い

・時間ない中でもやりなさい

・やり方わからない

・曲を知らない

・疲れている

これが前提条件では、「こなした練習」になり、喜びはなくなります。


そもそも「練習が辛い」という方いますが、「練習しなければならない」という気持ちが自分で自分を苦しめているのでは!?できない時があっても大丈夫!!

たまには、弾きたくなるまで弾かない、やらなくていい、こういう期間を作るとやる気や想像力がみなぎってきます。無音の時間、何もしない時間、瞑想する時間、大事です。

メンタルと影響しているので、今一度「何故ピアノをやるか」考えてください。


まず感受性を育てましょう!!

自分の意見を言えるようにしましょう!!

だまっていては、自分で考えて発言する力なくなってしまいます。

よく遊ばないと笑顔、やる気って出ないんです。

体を動かすと良いです。

無気力な子、喜怒哀楽がない子も増えている。

好きなことに夢中になる、情熱!!

喜び。それが・・ないの。

子供だけではなく親も。

日本の社会が、少し疲弊しているかも。

もっと自分の感じていることに率直に。

「情熱!!」

面白いことに目を輝かせる経験、そういうのが圧倒的に足りない。

そんなだから「弾いていても面白い!!」というのが希薄なの。


私は、ピアノの練習よりも意欲がどうしたら出てくるか、自分の意見をどうしたら言えるか

そういうことを考えるのが大事だと思っている。

表現力にも興味、色々影響してくる。

それは、練習の前に人として自分の本当の感情に気づいて発言してほしい。

人材育成・・それは、まず考え方の自立から。


「言われたことをやる」これに慣れすぎている!?

なぜそれをするのか、考えている?

やらなければいけないから。

でもね、このやらなければいけない事は世の中たくさんある・・

けれど、もっと素直にやりたいことをやろう!!

好きを極めてほしい。

そうした中に、練習で、

「これはどんな意味があるんだろう。

こんなふうに弾いてみたらどうかな。」

工夫し始める。


演奏にはインスピレーションも大切な要素。

やりたくないなんて思っていたら、きっと上っ面のものしか降りてこないでしょう。

作曲家の楽譜にするエネルギー素晴らしいですよね。

それも湧き上がる感情。

練習云々言っているうちはそこまで行きつかないかもしれないわね。

自分のみずみずしい感情が出てくるような生活を送ってほしい。


音楽家になるのは何%でしょうね。

一握りかもしれない。

音楽を通して学べることはたくさんある。

社会でも通用する自立した考え、人間教育、こういうのが求められているのではないでしょうか。


練習は、気分が良い時がベスト。

朝にほんの少しで良いからやると効果的です。

私の教えてきた経験値だと中学生になると、自分からやり出すこと多いように感じます。

自立してくるのでしょうね。


私は、自分が考えている理想の形、60分レッスンで確実に基礎力をつけたいと考えています。

中学生以上になっても続けられるように、5〜6年生でどのレヴェルまで進めておくか考えながら指導に当たっています。小学低学年〜中学年はインベンション、高学年にはシンフォニア、中学生ではショパンエチュードに入りますので、かなり弾けるようになってきます。

「続けられるように」というのはとてもとても大事なことです。


ピアノを途中でやめてしまったり、変な癖がついていたり、そこから正しい方向に導くのは「時間」や「お金」が無駄になってしまいます。


●私の考える理想的なレッスン時間●

私は様々な箇所で、5分、10分、15分、20分、30分、40分、45分、50分、60分レッスンと行ったことがあります。

色々レッスンしてきた結果、小さくても60分レッスンが良い考えています。

心を通わせながら、豊かな時間をレッスンで過ごしたい。


●3つの間じ「時間・空間・仲間」

○歌う時間、心を養う時間、お話を聞く時間。


○空間も響きを感じられる。


○仲間と一緒に連弾や練習、楽しいです!!


私の教室では60分レッスンのうち、30〜40分はリズム、読譜、音感、楽典、テクニックなど。あとの20〜30分は、曲など。

自分で読めるので、自分から弾くようになっていきます。


1年もすると、グレードテストを受験。

音階も弾いていきます。

初見、和音・伴奏付け、メロディー聴奏、ハーモニー聴奏など。

どの子も1年から1年半で調号を見たら調性判断ができ、12調全調に移調して弾けるようになります。

楽譜が読めないという子はいません。それだけソルフェージュに時間をかけているからです。


●個人レッスンとグループレッスン、練習について●

【個人レッスン】はマンツーマン。はじめたばかりの生徒は、練習のやり方が分かるまでZoomでサポート。

【グループレッスン】は4人までのクラス。

一人当たりの弾く時間は少ないので、弾けて持ってこれるようにLINEで動画をレッスン前に添削。動画を撮ることで、レッスンまでに止まらずにポイントが何か分かって仕上げてきます。


このように練習を一緒にやったり、サポートしています。


長期休暇はオンラインで自習できるよう、Zoomで無音にして、みんなで練習したり・・分からない所を一瞬聞くなど練習ができる環境づくりをしています。


どの子も弾けるようにする。音楽を好きになって欲しい。心身の発達と与えるバランスを考えながら。


●息子のレッスンで感じた「練習圧力」●

「どうやって子供の練習をサポートするか」という考えに至ったのも、息子のレッスンに付き添っていたからかもしれません。

一生懸命練習に取り組んだとしても

「お母様ですよ(私が練習させないのが悪いという意味)」

「練習できていないなら見ません」


先生の仰っていることはあっているでしょう。

この時の圧力・・、家庭でやるのが当たり前・・レッスンであからさまに見てくれないなど。

これを毎週見ていたらどう思うか分かりますか?

親も辛いんです。。

「音が苦」

嫌味や苦言を言って、練習するように変わるのでしたらしています!!


実情は

・お母様も仕事をして忙しい(自己保身みたいでごめんなさい。)

・仕事が終わったら、食べていない、お風呂に入っていない、学校の宿題が終わっていないからピアノが出来ない。

・お母様も疲れていてもなんとか力を振り絞って「練習しよう」と声かけ。でも、本人がテレビを見ている。すぐに来てくれない。眠いなど。

「練習しよう」と言って、パッときてくれたらどんなに楽でしょう。


だからこそ、練習を継続するというのは本当に大変なこと。

練習が強制ではなく、私の教室ではレッスン日以外もサポートすることで、出来る様になっていきます。


自分で練習できるようになるまでは、周りがサポートしなければいけません。

「やりなさい」より、「一緒に寄り添う」。

練習出来ていないからと、線引きをしない。

どの子にも愛情をかける。


子供って、親以外から「やりましょう!」と言われたら素直なものですよ!!


分からない、出来ない、やりたくないという状況にならないように・・。

もし出来ない場合は、一緒にできるまでやる。

家庭への丸投げはしない。

一人でも多くの子が音楽を好きになって欲しい。


出来不出来に関わらず、ついてきてくれる限り、絶対に見捨てません。

私は、指導に全てのエネルギーを注いでいます。


●指導は創意工夫●

子供の心身の成長に合わせた指導、練習が大切。

どうしたら、練習するようになるか、したくなるか・・こうしたサポートは上記に記した通り、私はOnlineで対応しています。

伸びる時期はそれぞれ違います。

短期だけではなく中長期的な視点から見た指導。


コロナ禍で心の悩みを抱えた方は少なくありません。

その場合はピアノが助けになることがあります。

決してひとごとではないのです。

その場合は癒しになれば良い。


「あ、ピアノ弾きたいな」と思うくらいが小さな時はちょうど良い。

小さい時から何時間も練習出来ません。曲が小さいのだから。

練習は少しでも良いのです!!


まずは一旦、元気に外で遊びましょう。

体幹が鍛えられます。

遊びの中に創意工夫がある。

気力が湧いてくる。

笑顔で過ごせる。

やる気が出てくる。

集中力が増す。

コミニュケーション能力が鍛えられる。


外遊びが少ないと、姿勢を保てない場面に遭遇します。

そうすると集中力が散漫になったり、泣きやすくなったり、メンタルにも影響します。

笑顔で元気に過ごしましょう!!


ピアノは椅子に座ります。座ることは奥深い。

椅子の高さ、距離、足、体の軸。腕の重みを自然に鍵盤にかけられるか。

柔軟性、しなやかな手首。

ボール遊びはスタッカートにもやくだちます。

ブランコは6拍子を感じるのにGood。

掴む動き、これも良い!!


体を思う存分動かしたら、本をたくさん読みましょう。

本には色々な知識が入っています。

語彙力があるほど、想像力が湧きますし、興味を持てます。


そして、音楽をたくさん聴きましょう。

全体的に、皆、音楽を知らなすぎる・・。

知らないのに弾くのは難しい。


聴く、歌う、心を育む。


練習なんちゃら言うのはその後です。

子供の心を育みながら、

「お花綺麗だね」

「ワンちゃんかわいいね」

「素敵な曲だね」

弾いてみたいな。


このように持っていくのが理想です。

今は、皆さん、習い事を掛け持ちして、忙しいお子さんもいらっしゃいます。

子供の気持ちが豊かであるか、気をつけて観察してください。


●指導で困ること●

では、指導する場合に困ることをあげてみましょう。


・必要なもの(レッスン時間、教材、教具、補助ペダル、楽器等)を準備してくれない

・できることなのに、自分で出来ないと線引きをしてチャレンジしない

・素直に言葉を聞き入れてくれない

・コミニュケーションをとったり、信頼関係を築こうとしてくれない

・ご家庭でのご要望に対応するため、練習やレッスン時間の確保、その他必要教材をお願いした場合、その対応をせず、結果のみ求める→無理

・同じミスを続けて練習してしまう→エラーレス練習、間違いないように注意深く


今は情報化社会。ネットはもちろん、お友達からも情報が溢れています。

ネットやお友達の情報。


私は、自分の教室の生徒だけではなく、審査は年に10回以上あるでしょう。

こうした審査では1日100人程度、10年以上やっていたら、延べ10,000人以上は軽く聴いています。

また、そうした審査員の先生だけではなく、大学、指導者同士、世界の指導法研究書などから、きっと最先端の情報を持っています。

その中から、より良いアドバイス、必要なことをお伝えしています。


生徒の要望から熟考した上で、お伝えした最終アドバイスに対して

「ネットやお友達情報」を言われる時があります。

そこからはご自身またはご家族でご判断ください。

私は生徒の悩みの解決策は、1つの悩みに対して1度アドバイスを出したらおしまいです。


それ以上にずっとあーでもない、こーでもないという悩みにはお付き合い出来ません。

それ以上の悩み相談は、どうか他の箇所でお願いいたします。

時間泥棒は困ります。


ご協力よろしくお願いいたします。